東京にいる頃は、一生行くことはないだろうとあきらめていた南の島「屋久島」に行ってきました。
日本百名山の「宮之浦岳」に登りたいのは山々でしたが、同じ九州からとはいえ3泊しないと縦走は難しい山だけに今回は無理…ということで、まずはおなじみの西鉄バスハイクで1泊観光を楽しむことにしました。
え〜?バスで屋久島??、鹿児島までは高速で一直線。そこでチャーターフェリーに乗り込んで島内はまたバスハイクというわけです。
土曜の朝6時半に出発して福岡から鹿児島港までは4時間。筑豊、久留米からのバスと合わせて8台250人の参加者が5000トンの貸切フェリーに集いました。
桜島を背に鹿児島湾内では、しばし見事な開門岳を前から横から後ろから様々な背景とともにたっぷりと眺めました。近いうちに登らねば!
秋晴れにも恵まれたべたなぎの湾内から最南端の佐多岬を過ぎて外洋に出るとやはりうねりも出てドドドドドッと船も少し揺れてきます。キャプテンの粋な計らいで操舵室も見学自由。海図やレーダーをあれこれ説明してもらい参加者も大喜びでした。
そして真正面に憧れの屋久島が近づくにつれて、海は白波が立ち、空は一転かき曇り、ひと月に35日雨が降る?と言われる屋久島の本領を発揮して山はすっぽり雲に覆われていました。
午後3時宮之浦港に上陸…といってもフェリーの中からバスでそのまま観光コースのスタートです。なんと楽チン(山の会にあるまじき行動?)なことでしょう。
島内も雲も切れて秋晴れが広がります。宮之浦岳は島の外周道路からは姿が見えません。車窓から、皇太子妃が出産前にご訪問の際に登りたがっていたという、その名も「愛子岳」を眺めながら「ヤクスギランド」で千年杉との対面です。1周20分ほどの回遊路には見事な屋久杉やヒメシャラなどの古木に覆われた森の精気が溢れてくるようです。
ただし残念ながらヤクザルをチラッとみかけただけでヤクシカには遭えませんでした。
そして標高1230メートル、宮之浦岳淀川登山口まで2キロのところに樹齢3,000年と言われる「紀元杉」が威容を誇って鎮座していました。高さは19メートルですがシャクナゲや種々の木々が根を下ろして共生しているどっしりした幹回りはさすがの威厳でした。
このあとは宮之浦町に戻って観光会館でトビウオづくしの夕食。潮ゆで、揚げ物、刺し身にごまさば、吸い物に、まぜごはんと屋久島ならではのご馳走でした。
そして、これは最近できた温泉施設「まんてん」までバスの送迎でゆったり気分も満喫。この日のお宿は…もちろんフェリーの…二段ベッドです。追加料金コースを申し込んだおかげで8人部屋ながら山小屋状態の大部屋からみれば天国の一夜でした。
一夜明けた日曜は朝5時起床。6時前にはデッキで朝食弁当。気持ちのいい夜明けです。そしてご覧ください。東の洋上種子島の上に感動的なご来光を見ることができました。
埠頭に停泊中のフェリー「クイーンコーラル8」です。なかなか豪華でしょう。フェリーとはいっても普段は鹿児島から那覇まで就航している船で、レストランやホールも整備されています。外洋の荒波もおかげでさほど苦にならず船上での食事もおいしくいただきました。
早朝6時50分発でまずは屋久島の北にある「ガジュマル園」へ。いかにも亜熱帯のジャングル気分を味わえる独特の風景でした。
そして外周道路をぐるっと東回りに空港から安房港を過ぎて島の南東側の「千尋滝」へ。せんぴろのたきは、巨大な1枚岩を2段に流れ落ちる滝で、雨の多いときはゴーゴーとさらに大迫力の姿を見せてくれるようです。
このあと、千尋滝の下流で滝がそのまま海に流れ落ちる「トローキの滝」見物にも行きましたが、橋の上からの眺めで???でした。実はすぐ脇に遊歩道があってそこへ行けばわずか5分で直接海へ流れ落ちる様が轟音とともに見られたようでした。団体では無理ということで避けたようですが気付いていれば…残念でした。
観光コースはこれでおしまい。このあと定番のお土産専門店へ。私は当然定番の人気焼酎「三岳」を買いました。1人1本の限定でしたが同行者に代役を頼んで2本ゲットしました
そしてバスに乗車のまま11時には港からフェリーへ。運転手から「クマクマ」と呼ばれていたかわいそうな?現地ガイドさんにデッキから手を振ってあっという間の「屋久島」に別れを告げたのです。
この日は抜けるような秋晴れで山も全貌を見せてくれました。港を出てしばらくしたところでようやく宮之浦岳の山頂が姿を現しました。
こんど屋久島に来るときは、もちろん宮之浦岳縦走にチャレンジです!。でもなあ…こんな快晴に恵まれる屋久島は珍しい!…今回で天運を使い果たしたなんてことのないように祈っています。
また来年青空で迎えてくれることを期待しましょう!!
そしてまた4時間、今度は桜島が船首に大きな姿を見せてきました。鹿児島港到着です。
帰りも順調に進んで夜の7時過ぎに福岡へ戻りました。
たった1泊なのに船旅ということもあって途切れのないなかなかに充実した観光気分を満喫できた週末でした。
アルコールもビール2杯だけだし座ってばかりの楽チンツアーだったせいか遊び疲れもなく元気に帰宅しました。