先週は富士の見える…はずの高川山一人足慣らしでしたが、今回は押しも押されぬ日本一の「富士山」に山の会の仲間4人と登ってきました。
二番目に高い南アルプスの北岳から600mも高いダントツ1番3776mの山だけに、登山シーズンは7月、8月の2ヶ月限定です。この間になんと世界中から30万人が訪れる超ハイシーズンで土日は登山道が大渋滞。という状況を避けるために木曜、金曜の平日1泊での計画となりました。真面目な?サラリーマンとしては心苦しいところですが、転勤の引越しで土日もなかったことを考えれば…まあ夏休み第一弾ということで許してもらいましょう。
新宿から高速バスで2時間半で河口湖口5合目へ。平日のおかげで貸切に近いゆったり座席でした。それでも曇り空の5合目は中国からの団体など大勢の人で賑わっていました。
標高2305mの5合目を13時40分ころにスタートして、まずは富士吉田口との合流点まで20分ほどの下り道。7合目まで14,000円払えば馬の背中でゆったりのコースもあるようですが、さすがに利用者はいませんでした。
ここ5合目周辺は「お中道」といって、秋には見事に色づく広葉樹の森が広がって、気持ちのいいハイキングコースになっています。前回訪れた時にはカモシカを見かけた仲間もいたところです。
まもなく森林限界を超えてそこから先は富士山独特の火山土壌のザラザラ砂岩や礫岩、溶岩の岩場が延々と続きます。おなじみの単調なジグザグコースは高度を増すに連れて体力を奪っていきます。
今回は万一に備えて酸素缶を携行して歩きましたが、高山病予防のために休憩のたびに酸素缶深呼吸しました。そのせいかなにごともなく快調に16時過ぎに8合目近い250年の老舗小屋「東洋館」に到着。それでも仲間の中には高山病の兆候も現れていました。
小屋は昨年建て替えたとかでまだ木の匂いのする快適さ、富士山が世界遺産になれない最大の理由とも言われる肥溜めトイレ?もなんと信じられない水洗に生まれ変わっていました。
10代目の主人こだわりの食事はふわふわハンバーグに自家製3年ものの味噌汁。ご飯も3000m近い小屋とは思えないほどやわらかく美味でした。缶ビール1本だけのカンパイで19時過ぎにはもう横になりました。
午前2時に山頂目指して出発。土日はヘッドランプの明かりが数珠つなぎですが、この日は自分のランプだけが頼りの夜中歩き。40分ほどの岩場を過ぎるとその後はまた単調なジグザグザレ場歩きが続きます。4時30分、3500mの小屋で富士山といえば…「ご来光」を迎えましたがこの日は厚い雲が空を覆ってどうなることかとやきもきしましたが、なんとかちょうど山中湖の上に雲の切れ間からご来光を拝むことが出来ました。
6時過ぎに全員なんとか無事に富士山頂へ到着。南アルプス方面をバックに集合写真を撮ることができました。私は4回目の富士山、3回目の山頂で感動もそこそこ…とはいってもやはり日本のテッペンに立つ喜びはいいものです。
富士山の最高地点3776メートルは火口をぐるっと回った元測候所のあった剣が峰です。お鉢巡りの中で覗いた火口は雪渓に覆われていました。登山道周辺もまだ今年はたっぷりの残雪があって吹き通る冷気も下界を忘れさせる冷たさでした。
ここがほんとの日本のテッペンです。でも実はすぐよこに展望台があって階段で5メートルくらい上れば360度の大展望ということでしたが、高所恐怖症の私はもう剣が峰で満足でした。
でもお鉢巡りの後半には展望台と同じ、端から端までの南アルプスの大展望と、その奥には北アルプスの山々も遠望することができました。
山頂からの下山はジャリ道が続く須走下山道へ。カカトでジャリを押し込んで走るように下っていくと登りの3分の1の時間で済むということですが、30分も続くともう足腰がもちません。あとはゆっくり踏みしめながらそれでも登りの半分以下の時間で2000mの須走新5合目に到着。途中の小屋で食べた冷えたトマトとゴール地点のソフトクリームは最高に旨かったです。
そして、午後1時のバスで御殿場へ向かい、タクシーに乗り換えて温泉場へ急行。砂ぼこりの汚れをおとして仕上げのカンパイで、あらためて日本一の富士山登頂の感動を思い返しました。