10月最終の週末は1日休暇をとって2泊3日で飛騨路を車で巡る中高年3人珍道中の旅に行ってきました。
実は4年前から同じ3人で大阪貝塚だんじり祭り、四国道後温泉四万十川、九州小倉別府温泉とそれぞれのルーツを訪ねる旅を共にしてきて、今回がそのしめくくり先輩Kさんのルーツ飛騨金山を訪ねる企画がやっと実現したものなんです。
ドライバーは運転大好きなOさんに1,200キロすべてをおまかせしました。愛車のクライスラーは乗り心地も上々で快適ドライブでしたが最後の最後で落とし穴が待っていました。
まずは関越道〜上信越道〜北陸道〜東海北陸道と500キロ近くを5時間足らず(昼食含めて)でその昔加賀藩の流刑地だったという富山の合掌造りの里・世界遺産「五箇山」を訪ねました。
五箇山から南に行くと岐阜県の世界遺産は「白川郷」です。静かだった五箇山から一転して100軒もの合掌造りの民家が点在する大集落の白川郷のメインストリートは人の流れにさえぎられて車がなかなか進めないほどでした。
紅葉の山々に囲まれて稲の刈り終わった田の背景に茅葺きの家が立ち並ぶ景観は、やはり日本の原風景のようで心が落ち着きます。
歩いて10分ほどの高台からは集落が一望できて壮観です。雨模様でもう暗くなり始めていたので写真はなんとなくボンヤリしていますね。ご容赦を。
初日の宿泊はまさに合掌造りの民家「よそべえ」。囲炉裏端の居間で4組が並んで夕食をとりました。オランダからのご夫婦もいてさすがに世界遺産ですね。飛騨牛や岩魚の塩焼きなど地元の名産が並んで気さくなおかみさんとの語らいなど民宿ならではの楽しい空間でした。囲炉裏でいぶされた室内は見事なすすと黒びかりでしたが、部屋や設備は快適でした。
翌日は紅葉なまさかりの白山スーパー林道をドライブ。雨上がりのせいか高度を上げると紅葉の木々の下には下界を包み込んで雲海が一面に広がって朝日にきらきら輝いていました。
途中には落差86メートルの大迫力の「ふくべの大滝」が聳え立つ岩稜から流れ落ちて、ほんとうにしぶきがかかりそうな勢いでした。
昼前には高山市内に着いて、車を駐車場に止めて徒歩で市内観光。正午で店じまいになる有名な朝市も見られてつい名物の赤かぶらの漬物をおみやげに買い求めました。1本7,000円の現地産マツタケも出ていましたが目の保養だけで我慢しました。
すぐ隣が「高山陣屋」。代官所を忠実に復元したものですがそのスケールは見事で、広大な蔵には数百年の歴史を彩る展示物(本物)が数多く展示されて見どころたっぷりでした。
そこから古い街並みを保存したさんまちを抜けてさらに10分ほど歩いた八幡宮の脇には秋の高山祭りを彩る壮麗なからくり屋台がつい2週間前に出番を終えて、会館内部に飾られていました。祭りの当日はさぞかし賑わうことでしょう。
そしてこの日の泊りは歴史ある日本三名泉とひとつと言われる「下呂温泉」。湯巡り手形で街中を歩こうかと思ったらとんでもない。温泉街を見下ろす高台の奥座敷にあるこれまた由緒ある旅館「湯の島館」が宿泊場所で、なんと平成、昭和両天皇がお泊りになったというところでした。純和風の旅館でゆったりと過ごすことにしました。料理も温泉もお酒も申し分ありませんでした。
ということで最終日はいよいよK先輩のルーツをたどって記憶とカーナビを頼りに飛騨金山周辺を行ったりきたり。おかげで45年前の記憶の中の場所にたどりつけたようでご本人は満足の様子でした。
その後は恵那峡を展望台から眺めてから中央道に乗って一路東京方面へ帰還。天候はイマイチだったけど風景も宿も最高だったねえ…などと話しながら前の車をすっと追い越した途端屋根の上に赤いランプが点滅しておとり走行の覆面パトカーにしてやられてしまいました。まもなくゴールド免許というOさんは怒りながらもスピード違反は事実だからしゃあないやと素直にキップをもらっていました。
最後にとんだオチのついた珍道中でしたが、定年前後のオジサン3人旅は大満足の楽しい3日間でした。