信州山行から2週間。休養明けのこの週末は、奥秩父の百名山「甲武信岳2475m」を長野側から千曲川の源流をたどって登ってきました。
金曜日の夜は仕事のあと中央本線初狩に住み次兄宅を訪ねてなごやかに食卓を囲みました。登山口までのバスに乗るには自宅からでは間に合わないんです。
土曜日の朝5時に起きて甲府、小淵沢から日本一高いところを通るJR小海線の信濃川上で下車。村営バス30分の梓山から歩行開始です。
車道から林道45分で登山口の毛木場平へ。パンとソーセージの朝昼食を済ませて10:15に紅葉の樹林の中を千曲川源流の沢沿いの快適な遊歩道を上流にたどっていきました。
前日予報では晴れマークのはずが空は朝からどんより、雲の中に太陽のシルエットが見えますが日射しはないままでした。
2度3度と沢を渡り返して2時間半ほど歩いたところが千曲川と信濃川の初めの一滴が流れだす地点、標高2150mほどでした。
そこから1時間、最後のガレ場をひと登りしたところが山梨、埼玉、長野の県境・甲武信岳山頂でした。
雲に覆われて遠望はきかなかったものの金峰山の五丈岩や富士山中腹が見られました。後続の団体に追われるように下山して10分ほどで甲武信小屋に到着。
古い天然木で組まれたまさに山小屋の趣きたっぷりの小屋でした。
小屋の中もまさに古きよき山小屋そのもの。まきストーブの団らん土間と食堂、2階の寝床はもちろん大広間のザコ寝で一面にフトンが並んでいました。夕食は当然カレーライス、でもおいしかったですよ。古色蒼然たる小屋ですが、さすがに今どきの山小屋事情を反映してトイレだけは3年前に建替えて水洗で清潔でした。皇太子夫妻が来たせいですかね?
この小屋のオーナー徳ちゃんは25年のベテランでビデオ撮影、ホームページ制作から登山道開拓までなんでもござれの名物オヤジのようで人柄も陽気でした。ストーブの回りでは関西からのバスツアー団体さんたちの賑やかな話しにも加わって久しぶりに山小屋ライフを楽しみました。消灯は20時。氷点下のすき間風を新聞で防いでやっと眠りにつきました。
そして日曜日の目覚めは4時半。表に出るとなんと小屋の回りは銀世界でした。
朝食後6時10分にレインウェアに身を包んで小屋を出発。団体の女性たちがみな徳ちゃんと記念写真撮っていました。私は小屋脇の雪道側木賊山(とくさやま)の登山道を登りました。
久しぶりの雪道ですがアイゼンをつけるほどではありません。実は3日前にもしものために軽アイゼン買ってたんですけど使い方予習してませんでした。
山頂からまもなく戸渡尾根から西沢渓谷への下山道へ。岩と急下降のなかなかの道ですが途中からは人気者自ら開いた徳ちゃん新道となって小屋から3時間半で西沢渓谷に降り立ちました。
紅葉に彩られた遊歩道をゆっくり歩いて多くのハイカーと行き違いながらバス停到着。1時間後に塩山に着いてどんピシャの列車に乗車。そのまま行けば高尾でしたが、大月で途中下車して山の会ご用達の中華料理屋・正華でママと語らいながらたっぷりと一人反省会をして帰路に着きました。