9月最後の週末は、夜行1泊バスツアーで中央アルプスの空木岳(うつぎだけ)2864mへ行ってきました。
金曜日は台風が関東に接近しましたが幸い東海上に抜けていったので、甲信越方面は天気のくずれはありませんでした。
会社を1時間早退して帰宅。食事、フロ、着替えで21時半に家出。先週と同じ新宿西口から23時発10人を乗せた貸切バスで長野南部伊奈川ダムの登山口へ向かいました。中型バスは座席は2人分でゆったりでしたが前後が狭くリクライニングもままならず、足をななめに伸ばしてなんとかウトウトできました。
道の駅で洗顔朝食を済ませて朝6時50分に登山口1080m着。リーダーの号令で準備体操をしてから7時過ぎに、まずは山頂手前の木曽殿山荘2587mを目指します。
まずは緩やかな林道歩きを2時間。くもり空から青空が覗いて気分も晴れやかになってきました。
1450mのうさぎ平から山道となりますが、ここはもう4合目でなんとなく400m近く得した気分です。
日の射さない樹林の中を歩き始めて1時間ほどの5合目あたりに八丁のぞきの立て札。
樹林が切れた左手には真正面にドーンと御嶽山の姿が大きく見えました。
さらに樹林を進むと伊奈川に繋がる北沢の吊り橋へ。幹を切って繋げただけの橋は今にも崩れ落ちそうな様子で定員1名で慎重に渡りました。
7合目の仙人の泉で長寿の水?を飲んで私は元気でしたが、60台の男性がバテて足も吊り気味。男3人の最年少としては、リーダーに断って彼をケアしながらのラストを歩くことにしました。
8合目では見晴台へ出て空木岳の岩稜が間近に見えたものの山頂はまだ雲に隠れていました。
岩場歩きとなる上部からは時折切れる雲の合間から空木岳山頂部や縦走の峰々も見えて、さすが中央アルプスの眺めを実感しました。
木曽義仲の力水を汲んで間もなく、14時半にはこの日のゴール木曽殿山荘に到着しました。
茶色のトタン造りの小屋ですが、中はキレイに手入れされて2階の雑魚寝フロアもザック置き場が指定されて、小屋番夫婦の記帳面な性格がわかるようです。トイレも清潔で感心しました。
ツアー9人の中になんと今回で百名山達成という女性が2人いて、17時の夕食まで食堂でワイワイガヤガヤ山談義に花が咲きました。私はもっぱら聞役でしたけどね。
夕食のメニューはおでんで10度に満たない寒さにはうってつけでした。
食後はやることもなくすぐ就寝。伊奈川からの登山者は少なかったものの、木曽駒ヶ岳からの縦走者が多かったようで定員40名程度の小屋は60人が入ってフトン1組にふたりの悲しい夜になりました。年上の男性に挟まれてなんとか寝る体制にはなったものの、近くで大イビキの合唱が聞こえだして…まあただ横になっていただけという地獄の10時間を過ごすはめになりました。
満天の星の夜も明け始めた5時前に朝食を済ませて、5時45分に小屋前にそびえる空木岳山頂目指して朝焼けの中を出発。
昨年滑落事故で死者が出た急斜面を慎重に登っていきます。足元は霜柱が立って長袖シャツの上にフリースを着込みました。
空には月も残って雲ひとつない快晴の早朝。一歩一歩高度を上げるごとに展望が開けてきて、中央アルブスの宝剣岳、木曽駒ヶ岳はもとより、御嶽山から乗鞍岳が一望。第一ピークから岩場を伝って第2ピークへ着く頃には乗鞍の奥に槍ケ岳の山頂も見えました。
第2ピークを越えると東から太陽の光が目にささり急に暖かくなります。
もちろん展望も一変して岩をよじ登った第3ピークの空木岳山頂に7時20分に到着。
下山までの25分はまさに夢のような大展望を心ゆくまで堪能しました。
南アルブスは聖、テカリから塩見の奥の富士山も。北岳、甲斐駒まで丸見え。
八ヶ岳も隅から隅まで。その奥は奥秩父。左には浅間の噴煙までハッキリと見えました。
もちろん間近の御嶽山は雲海の上にどっしりと座っています。
立ち去りがたい気持を振り切って7時45分に駒ヶ根方面へ下山開始。
直下の駒峰避難小屋から小屋より大きい?駒石を通って、クサリや急坂の大地獄を慎重に下って、ようやく樹林の山道に入ってひと安心。あとはひたすら長い道のりを、登山口から1時間ほど手前の林道まで呼んだタクシーを目指して歩き続けました。山頂から8時間、13時45分にようやくタクシーに分乗して、駒ヶ根の早太郎温泉こまくさの湯でさっぱりと汗を流しました。
食堂で全員そろってカンパイと食事。あらためて百名山達成の二人を祝い、生ビールと信州そばに舌鼓を打ちました。
自分の百名山達成の時は誰にも知らせずそっと自己満足を楽しみましょう…なんてね!??
15時45分貸切バスで駒ヶ根出発。今19時40分だけでなにやら大渋滞に巻き込まれて雨の山梨県内をゆるゆると走行中です。…神奈川の藤野を過ぎたあたりからようやく渋滞も解消されて予定より30分遅れて21時半に新宿にたどり着きました。