台風15号と16号にはさまれなような9月半ばの3連休に、北アルプス裏銀座の水晶岳と鷲羽岳を縦走してきました。
私にとっては、日本百名山のゴールのメモリアル登山になったんですよね!!
山の会ホイッスルに誘われてちょうど23年。
もちろん百名山なんてことはつゆ知らず、例会後の反省会を楽しみに毎月仲間との山歩きを楽しんでいましたが、それでも夏山を中心に20年近くの間に百名山は50くらい登っていたんですね!
5年前に福岡へ転勤になった時に、九州と中国、四国の百名山を登れたのが運の尽き!?…東京に戻って間もなく、よし頑張って百名山を全部歩こうと決めて、ここ3年で残り40を集中して歩き続けてきたのです。
そしていよいよラストツー…最後に残ったのは北アルプス裏銀座の水晶岳2978mと鷲羽岳2924mでした。
30代半ばまで銀座の裏通りをチョロチョロしてて、生活を変えようと思って!?山歩きを始めたことが、ちょうどラストに裏銀座コースになったのもなにかの縁かもしれません!?
金曜日の夜行ムーンライト信州に乗って5:10に信濃大町着。6時に予約していたタクシーで七倉のゲート開きを待ってガスで真っ白な高瀬ダムに到着。
レインウエアに身を固めて歩き始めたのは6:50でした。
長い吊り橋を渡って登山口へ。ここから北アルプス三大急登のブナ立尾根を雨が降ったりやんだりの中を黙々と進みます。比較的歩きやすい道でさほど苦にはなりませんが、1270mから登り始めて3時間、
2400m地点でやっと目の前が開けてアルプスの茶褐色の岩肌が広がりました。
さらに45分、2551mの烏帽子小屋に予定より1時間以上早い10:35に到着。ヘリポートで腹ごしらえをして、いよいよ裏銀座の稜線歩きです。
と、間もなく雨上がりのハイマツ帯から突然黒いものが私の前を横切りました。
なんと、親鳥とヒナたち8羽もの雷鳥が悠然と歩いていたのです。雷鳥は何回か見かけていますが、こんな大家族は初めてでした。
沼さんから聞いていた滑り台のようなザレ場が1時間も続いて、岩場、ガレ場が続いて14:20、初日の宿泊地野口五郎小屋2870mにたどり着きました。
まずはずぶ濡れのウエアを乾燥室でハンガー掛け。
稜線途中で泊まりの少ない小屋のようで、この日も10数人といったところですが、手足を伸ばしてゆったり眠れるうえに、天ぷらほかの食事も上々、トイレも水洗とはいかないものの清潔で、さすが北アルプスの小屋のはしくれ?です。
晴れマークの予報を信じて乾いたレインウエアをザックにしまって就寝。
日曜日の朝は期待どおり…いやそれ以上に快晴で、見事なご来光を拝むことができました。
5:40強風の中を稜線歩き開始。さあ、いよいよ百名山だという思いが強すぎたのか、小屋から目の前の野口五郎岳の山頂に向かわず巻き道を進んでしまいました。アッと気づいた時は通過後。五郎ちゃんゴメンと名残の写真だけ撮りました。
真砂岳の分岐を6:30通過。ここも巻いてひたすら水晶小屋を目指して進む目の前に突然トンガリ山が現れました。
西へ向かっいるのに???と思ったものの、紛れもなく大きな槍ヶ岳が正面に見えたのです。
もちろんその左手には穂高連峰も連なっていました。
となると…右手の谷越えにそびえ立っているのが、間違いなく私の目指す右に水晶岳、左に鷲羽岳のいかにもアルプスの大きな岩稜、その真ん中に水晶小屋も遠望できました。
近そうに見えてから岩場、急登の連続でようやく8:15に小屋に着きました。
ザックをデポして水晶岳ピストンのつもりでしたが、なんとなく?そのまま登り始め。
空身の登山者に追い越されながら最後はけっこうな岩登りで35分で99座目の水晶岳山頂到着。
360度のパノラマでしたが狭い山頂で証拠写真を撮ってすぐ下山。30分で小屋に戻って、そのまま9:30に鷲羽岳へ向けて歩を進めました。
岩苔乗越の手前を左に折れてワリモ岳を巻いてさらに登り下りのあと岩登りの先に…山頂標識が目に入った時、やって百名山達成を実感できました。
11時ジャスト、山頂に上がって三角点にタッチ、そして地味な?鷲羽岳の標識にもタッチして心の中でバンザイを叫びました。
幸い二人の若者がいたので、さっそく記念撮影を依頼。ザックから兼ねて準備の百名山(ほぼ)達成の手書きボードを胸に抱えて、デジカメと携帯で槍ヶ岳をバックに記念写真を残したのです。若者たちも立ち会えてうれしかったと喜んでくれました。
まさに360度の大パノラマを楽しみながらランチを取って団体さんが見えたのを機に11:30下山開始。
すぐに18人のツアー客に道を譲って、事故を起こさないことだけに気をつけて、新穂高温泉方面へ向かいました。
1時間程で三俣山荘を通過。分岐の水場でのどを潤してペットボトルにも補充して双六方面に向かいます。ここからしばらく登りが続いて喘ぎながらの前進。三俣蓮華岳から双六岳を辿る登り口の分岐も素通りして、夏ならお花畑の巻き道を辿って双六小屋に向かいました。巻いてばかりだなあと自戒の念を抱きながら?…今回はこれでいいのだ!と言い聞かせました!?。
双六小屋には14:50到着。
水も比較的豊富だったのでタオルで頭からカラダを拭いて下着も着替え。サッパリしところで、自分にごほうびの?缶ビールで祝杯!
一人のはずでしたが、初日から同じ行程を辿ってきた若い男女ふたりがまた偶然双六小屋泊まりで、ちょうどテラスで遭遇。せっかくだからと3人でカンパイしたのです。もっとも、百名山達成と言っても若い人は、けっこうクールでした。
まあそれはそれ、別にカップルではない二人ですがけっこう気があったらしく、最終日も結局ひょんなことで、松本まで同行することになりました。
その前に双六小屋ですが、これぞ由緒正しき北アルプスのたたずまいで食事も豪勢、トイレも洋式水洗で、残念ながら売り切れでしたが生ビールもあるんですね。でも缶ビールも冷蔵庫でしっかり冷えていました。
台風15号がターンして本州に向かっているとかで、月曜日の天気が心配でしたが5:20の出発時はご来光も間もなくの好天気で、登り下りを繰り返しながら鏡平でひと休み。
ゴロゴロの岩道から林道へ出て、わさび平からちょうど 10時に新穂高温泉にゴールインしました。
バスターミナルのすぐ上にある中崎山荘日帰り温泉でサッパリと汗を流して10:55のバスで中湯温泉へ。
高山ラーメンに生ビールの昼食を済ませて松本駅行きのバスを待っているところに、カンパイ仲間の二人が現れて…なんと土砂崩れで道路閉鎖情報を知らせてくれたのです。
スワ、一大事ととっさに係員にタクシーを依頼。すったもんだのあげく、乗鞍スカイライン経由の迂回路を直行と同じ料金で行ってくれることに合意。
三人に若い夫婦も同乗で、時間は1時間以上長い2時間40分もかかったものの、料金はひとり3000円ほどで無事に松本駅に16時過ぎに到着。
16:30の特急あずさ号の自由席にしっかり乗車。
最後の最後まで思い出に残る百名山達成夜行二泊三日の楽しい山旅になったのです。
追伸:中湯温泉から松本までのタクシー代を5人でワリカンのはずが、私が勘違いして4人で割ってしまったことに帰ってから気がつきました。4人の若い人たちは名前も聞いていないので連絡のしようがありません。ガメちゃうわけにもいかないので、過剰金4000円を東日本大震災義援金に寄付することにしました。4人のみなさんお許しください!!