山の会ホイッスルの夏山例会で、北アルプス白馬連峰へ二泊三日で行ってきました。
白馬岳は数珠つなぎの大雪渓と足も伸ばせない大混雑の山頂小屋に驚いた16年前以来で、今回は白馬連峰をさらに北に辿って雪倉岳と朝日岳まで縦走の計画だったんですが、二日目の金曜日からの悪天候で縦走を断念。白馬岳から三国境を右に取って、小蓮華山から白馬大池経て日本の秘湯蓮華温泉泊まりのコースに変更しました。
猛暑続きの都心を離れて大宮に向かった木曜日は天気上々。メンバー4人が無事新幹線で合流して長野駅に8:05着。8:20のバスに揺られて白馬八方から乗り継いで猿倉へ到着。
10:10にいざ白馬岳に向けて歩き始めました。
樹林歩きが続いて11時頃白馬尻に到着。
ここは大雪渓の起点で、まずは雪解け水の流れと大雪渓をバックに記念写真に収まりました。
軽食のあと11:20に出発。
大きな葉の真ん中に花をつけるキヌガサソウが出迎えてくれました。さらに20分ほど樹林を歩くとその先は稜線まで一面の銀世界が広がっています。
さっそくアイゼンを装着してストックのゴムキャップを外して準備万端。
私は2本ストックで、雪渓に引かれた赤いルートを辿って急傾斜の雪渓を登っていきます。
まだ7月中旬のせいか、比較的雪も純白を留めて、青空とのコントラストが見事。ジリジリ日射しも照りつけますがさほど汗ばむほどではありません。
4人それぞれに雪渓とのツーショットを撮ってから黙々と高度を稼いでいきます。
あちこちに転がる落石に気をつけながら2時間弱で葱平で一旦アイゼンをはずして一休み。
雪渓の向こうには白馬三山のひとつ杓子岳の岩稜が迫っています。
軽食のあと20分ほど岩場を歩いてから最後の小雪渓トラバースでまたアイゼンを付けました。
ちょうどここには地元のスタッフが居合わせて、急傾斜の雪渓をシャベルで均して歩きやすくしてくれました。おかげでアイゼンなしでも渡れそうでしたが油断は禁物です。
そこから先は樹林を辿り稜線を仰ぎながら進むと、アッ小屋が見えたの声。行くての稜線に村営山荘がはっきり見えました。
でも近くて遠きはなんとやらで、山荘までは2時間近くかかって、予定より若干早い15:35に村営山荘に到着しました。
さらに上には16年前の修羅場?山頂山荘とその上に烏帽子の形をした白馬岳山頂の姿も見ることができました。
この時はまさかこれが見納めになるとは思いもせず、平日でゆったりとした小屋の個室にザックを下ろして、さっそくまずは生ビールで乾杯。バイキングスタイルのシャレた夕食には地酒もいただいて、いい心持ちで、明日の早立ちに備えて19時頃には寝床に入りました。
ところが、寝床から這い出した翌朝は、朝は晴れ夕方までくもりの予報をあっさり裏切って一面の霧の世界にガッカリ。
それでもなんとか気を取り直してレインウエアにみをかためて4:40に薄明かりの山荘を出発。
頂上山荘を経て40分ほどで真っ白なガスに覆われた稜線を辿って白馬岳山頂2932mに立つことができました。私は2回目なのでまだしも。初めての頂きから日本アルプスや富士山、日本海まで一望!の大展望がはかない夢となったOさんとまきさんはさぞかし残念だったことでしょう。
しかもなんと山頂証拠写真までが手違いで消滅してしまうというおまけまでつきました。
その後、まきさんが唯一自分の山頂写真を撮っていたことがわかったので、ここに乗せさせてもらいます。
そしてさらにリーダーの沼さんの苦渋の決断として、そのために今回のコースを計画した雪倉岳と朝日岳への縦走ルートを取り止めることにしたのです。途中雪の深いところもあり雨と風では危険で楽しみもなしとの判断でした。
結局まきさんの提案で最終日に汗を流すはずだった蓮華温泉まで行って泊まろうということになりました。
雨が降ったり止んだりの中を長野、新潟、富山の三国境まで行って、左へ雪倉岳の道を見ながら蓮華温泉方面へ。ここは今年のGWに低体温症でなんて7人もの大遭難死亡事故が起きたところです。
ザレ場や樹林を辿り坂の上の雲のロケ地になったという小蓮華山の先で風を避けて朝食弁当タイム。宿の変更連絡をしたあと、健脚組に断ってOさんの後から少し先発。
稜線を下っていく途中で愛らしい4羽のひなを連れた雷鳥に遭遇。
健脚組に見せようと待てどなかなか来ないので仕方なくカメラに姿を収めて下山。樹林から残雪を渡って約1時間でOさんの待つ白馬大池山荘前でトイレ休憩。
後続待ちの小休止のはずが30分経っても現れず、携帯も不通ということで仕方なくOさんとふたりで蓮華温泉へ向かいました。
ここからはガスに覆われた道悪の樹林を足元に気をつけながら縫うように下り続けて1時間20分。
ちょうど正午前に日本の秘湯蓮華温泉にたどり着きました。
温泉にも入らずやきもきしながら部屋の窓から登山道を見つづけて、ようやく1時間以上経ってふたりの姿が見えた時は、雷鳥に出逢った時より感激しました!?
やっと落ち着いてゆったりと温泉に浸ってから4人でお疲れさんの乾杯。
その後、日本一に選ばれた蓮華温泉の野天風呂4湯を巡って、なんとOさんがすべて体験。
まきさんは足湯、私とぬまさんは手湯?で日本一気分にあやかりました。
宿に戻って温泉に入り直すとちょうど夕食タイム。
魚フライ、山菜、酢の物、煮物などのヘルシーメニューと生ビール、地酒で隣りの若いお嬢さんたちとも語らいながら楽しく夕餉を食しました。
部屋に戻ったのは19時前。仕上げに岩の原ワインを飲みながら山行のあれこれを語っておとなしく眠りにつきました。
土曜日の朝はもう帰るだけ。6時の朝食では由緒正しい温泉の朝ビールいただきました。
食堂の窓からは朝日岳方面にキレイな虹が見えました。
蓮華温泉前で最後の記念写真を撮って7:35のバスでJR西日本糸魚川線の平岩駅へ。
8:53の上りでJR東日本の南小谷駅発9:44の松本行きに乗り換えて、昨日の朝バスで通った白馬駅で3人が下車。
バスで長野駅に出て新幹線で帰る3人に見送られて、私はただ一人、松本まで直行。
駅そばを食べてから各駅停車の普通列車を乗り継いで、青春18キップ夏休み編第一弾の列車旅で18時前に自宅にたどり着いたのでした。