7月の後半は母の墓参りついでのスカイツリー周辺歩きと横浜美術館「プーシキン展」から「もりべ」の料理を味わって過ごした週末でしたが、8月に入ってようやく遠出を計画しました。
お盆休みの1週前、夏休み第一弾は、8月3日土曜日のムーンライトながらに乗って、2泊3日で瀬戸内海の島々と橋を巡る旅を楽しみました。
娘がネット予約で取ってくれたながらはやはり6両の指定がすべて満席でした。ちょうど1年ぶりですが、アイマスクと耳栓に折りたたみスリッパの3種の神器?があれば、足を伸ばせないことを除けば夜行列車もさほど苦になりませんでした。
大垣から乗り継いで12時過ぎに尾道着。今回のテーマは瀬戸内海の島々巡りです。
尾道は四国愛媛の今治につながるしまなみ海道の起点です。まずは路線バスで因島へ向かいます。
しまなみ海道は全長70キロほどもあって、自転車での走行も人気のようですが、今回は時間がないのとなにせ高所恐怖症の私としては、海上数十メートルの大橋を自力で渡るなんて考えただけでも足がすくんで絶対無理です。
向島の次が因島でここで路線バスは下車。瀬戸内海の島々を眺めながらバスに同乗した若い二人連れの女性にシャッターを押してもらいました。もちろん私もシャッター係やりましたよ。
因島からは福山から来るしまなみライナーに乗り継いで、生口島、大三島、伯方島、大島とそれぞれ海上の橋を渡って1時間ほどで今治駅に到着しました。生まれ故郷の四国・愛媛に降り立つのは石鎚山に登って以来5年ぶりです。
今治からは予讃線に乗り換えてまた青春18キップ旅で香川県の高松に向かいました。
高松には学生時代の友人であるHさんが商店街で高級メガネショップを開いていて久しぶりに再会。夕食は鳥料理と仕上げにはもちろん讃岐うどんで香川の味を満喫しました。彼の長男ケイイチ君は横浜の大学院生でギターとピアノでライブを開くシンガーソングライターです。
ホテルで足を伸ばして眠った翌日は今回の旅のメイン、小豆島観光に出かけました。駅からほど近い高松港に向かう途中には高松城址があるようですが、早朝でチラッと横目で通り過ぎました。
高松港からはオリーブラインというフェリーで小豆島に向かいます。しまなみ海道も小豆島も実は初めての場所です。
朝8時のフェリーが出航。高松市街も高層ビルが立って大都会の雰囲気ですね。
たくさんの島々が見渡せるしまなみ海道沿いの瀬戸内海とは趣が違いますが、フェリーが行きかうおだやかな光景も心が和みます。
ちょうど1時間ほどで瀬戸内海では淡路島に次いで大きな小豆島に着きました。
小豆島では限られた時間なので半日観光バスで島内を巡りました。
まずは港から市街向かう橋の下は、世界一狭いたった9.9メートルの、川ではなくこれがなんと海峡です。
小豆島といえば降り注ぐ太陽とオリーブの島のイメージですが、500メートルもの標高があって山の途中にはモンキーセンターがありました。
サル山には数百頭のニホンザルが放し飼いにされていましたが、うだるような暑さのこの日はさすがにサルたちもグロッキー気味で日陰でぐったりしていました。
バスは山の中腹にある日本三大渓谷の一つと言われる寒霞渓へ。ここでも野生のサルがいて観光客のお土産袋をひったくったりしてもいましたが、高台からの瀬戸内海の展望もなかなかでした。
一番奥の岬の先端あたりが映画で有名な「二十四の瞳」の舞台になった岬の分教場のあるところだそうです。
展望台からはロープウエーで標高差300メートルほどを渓谷美を楽しみながら下っていきました。
切り立った岩稜の先には瀬戸内海が広がっています。
ロープウエーを降りてバスは一路岬方面へ向かいます。ここは、戦前から戦後も20年ほど実際に子供たちが通っていた本物の分教場です。今回はバスの中から写真だけで通過しました。
本物の分教場の先をさらに岬の先端近くまで行ったところに、今から20数年前の2回目の映画化の時に建てられた「二十四の瞳」のロケセットがそのまま映画村として残されていました。
けっこう広い敷地には川が流れ、戦前の雰囲気そのままの商店や民家のセットが立ち並んで映画の世界にどっぷりと浸ることができます。とりあえず記念撮影しました。これはセルフタイマーです。
そしてここがセットの分教場。目の前は瀬戸内海です。セットとは思えないほどしっかりした建物で、出入りも自由です。
ここが大石先生と12人の子供たちが過ごした分教場の教室。もちろん教壇や黒板もあって、自分の小学校時代も思い出してしまいました。
ひまわり畑に囲まれた校舎。私が観た「二十四の瞳」は昭和29年製作の高峰秀子主演作ですが、もちろん後年に名画座で観て感動しました。この映画村でも町の映画館で実際に高峰秀子版を上映していてついしばし鑑賞してしまいました。
小豆島観光バスは映画村の後「オリーブ公園」を訪ねてから15時過ぎに土庄港に戻りました。5時間余りの駆け足観光でしたがソーメンとオリーブ葉のしおりなども土産にもらって楽しい時間でした。
バスから降りて大急ぎで今度は岡山港行のフェリーに乗車しました。
今度は1時間10分で新岡山港に到着。ここは船の発着だけの港で小さなターミナルがあるだけ。すぐにバスに乗り換えました。
路線バスで30分ほどで岡山駅に到着したのが17時35分。さっそくJR山陽本線に乗ってこの日の宿泊先明石駅へ。ビジネスホテル近くの居酒屋でたこの天ぷら、鯛のあただきと地魚にぎり寿司を日本酒の肴にして旅の夕食を楽しみました。
3日目最終日は島巡りの仕上げで淡路島です。明石から1駅の舞子という駅前が明石海峡大橋の高速バス停になっていてエスカレーターと階段で地上から20〜30メートルほどの高速道路上までけっこうビビりながら上がりました。
淡路島に渡って最初のバス停淡路ICで下車。淡路島はとてもゆっくり観光できる時間がないので、今回はバス停から徒歩10分の淡路島公園を散策して淡路島に行ったという記念だけで済ませることとしました。
垂れ込めた雲に覆われて展望はありませんが公園から明石海峡大橋がぼんやりながらほぼ見渡せました。
最終日の目的地最後が大阪。JR大阪駅から地下鉄御堂筋線に乗り換えてすぐの淀屋橋からほど近い、昨年竣工したばかりのフェスティバルホールのビルに立ち寄りました。それにしてもすごい建物ですね。
なんとその超近代的ビルの一画に、私の勤務先の大阪本社(別会社ですが)が入居しているのです。どうです広いオフィスには柱が1本もありません。
こんなビルのオフィスで働いていると自分が一流大会社の社員だと勘違いしそうだよね…と案内してくれた総務局長と話しました。
隣には数年後にはツインタワーとなるもう1棟のビル建設のために古い建物の取り壊しが始まっていました。
会社見学の後は徒歩で大阪駅へUターン。駅構内の食堂で地元に関わりのないパスタランチを食べて、ちょうど12時のJR東海道本線に乗車。途中前夜からの大雨の影響で遅れたりしながらも、なんとか普通列車を乗り継いで23時前になんとか自宅にたどり着くことができました。