体育の日といえば7年後に決まった東京オリンピックが1964年に開催された時の開会式を記念して10月10日に定められた祝日ですが、今は10月第2日曜日の次の月曜日となったおかげで必ず3連休ができました。
今年の3連休は、ちょうど10月14日の鉄道記念日にちなんで発売されたJRの7,500円で普通列車3日間乗り放題キップを利用して、坂東三十三観音巡りを3日連続で自力で歩いてきました。
なんと幸運なことに3連休の天気予報はすべて晴れマーク。まず初日の土曜日は福島の県境に近い茨城県の最高峰・八溝山(やみぞさん)1022mの中腹に建つ21番札所「日輪寺」に参りました。日本三大名瀑の袋田の滝にも近い水郡線常陸大子駅からバスで30分の蛇穴から鳥居をくぐって登山道に入りました。
登山道とはいっても半分以上は舗装道で山頂近くまでマイカーで入れるところですが、樹林の道から湧水群を通って木の根の階段を登り切ったところが小広い山頂。周りは木々に覆われていました。
でも山頂脇にはご覧の天守型展望台が建てられていて、3階層を登ると360度の見事なパノラマが開けました。磐梯山や那須連峰などの山並みも見渡せるはずでしたが、青空の下の山々は雲に覆われて遠望は利きませんでした。それにしてもこの展望台は???ですね。
山頂から20分で日輪寺に到着。本堂だけのお寺で畳敷きの堂内もとても質素な造りでした。やはり地味目な?ご本尊十一面観音菩薩の前で対座して勤行を唱えて住職や助手?の女性とも親しく語らって、また山道を下って帰りました。
二日目の日曜日は高崎から伊香保温泉方面に向かいました。高崎駅から榛名湖行きのバスで30分。下車したのはドドメキという???な停留所ですが、周囲にはのどかな田園風景が広がっていました。
バス停前が白岩観音入口ということで上り坂を赤城山や関東平野の広がりを眺めながら歩くこと30分。前日の日輪寺とは打って変わって立派なたたずまいの15番札所長谷寺(ちょうこくじ)に到着。奥に頭だけ見える山が榛名山です。
仁王門から入った鐘楼前で証拠写真を撮りました。
本堂にはさまざまな彫刻も施されていてなかなかの佇まいですが、武田勝頼が世無道上人に命じて1580年に建立したものだとか。ここの十一面観音は秘伝ということでお前立ち観音に向かって勤行を唱えました。
さて、次の16番札所水沢観音までは、巡礼の基本に戻って歩いていくことにしました。真中に見えている榛名山・伊香保温泉近くまで16キロの行程です。この日は10月だというのに30度近い気温で、山に向かって北へ歩いていく…ということは上り坂の連続。歩くのは慣れている私も前日に続いてということでけっこうしんどかったです。
白岩観音から歩くこと4時間近く。標高600メートル地点で水沢うどんの看板が見えてきて、榛名山が間近に迫ったところでようやく到着です。
水沢観音への最後の石段。ここのところ調子の悪い右ひざが痛んできてこの程度の石段もけっこうつらかったです。
広い境内には本堂のほかにも六角堂や釈迦堂もあって、駐車場までに土産物店もたくさん並んでまさに観光地です。場所柄と水沢うどんの人気もあって大勢の人で賑わっていました。私はそれにめげず、千手観音に向かって勤行を唱えてからご朱印をいただきましたが、帰りに食べようと思っていた水沢うどんは、もう14時だというのにどの店も行列だったのであきらめて、高崎Uターンの予定を変更して最初に来たバスで渋川へ出て、結局予定より早く18時前に自宅にたどり着きました。
さて、茨城、群馬と歩いて3連休最終日の体育の日は2県の間、栃木県の観音巡りです。起点の宇都宮からバスで向かったのは、大谷石でも知られる町の第19番札所大谷観音です。
駅から30分のバス停からほど近いところに大谷観音の山門があってひざ痛には幸いでしたが、到着した8時45分はまだ開門前でした。
大谷観音のもう一つの見どころは身の丈27mという平和観音像で、大谷観音からすぐ近くの公園にそびえたっていました。私と比べれば巨大さがわかりますが、戦後間もない昭和23年から、なんと大谷石の岸壁を総手掘りで石工が彫り続けて8年の歳月をかけて開眼されたということでした。仏像左側の階段から肩近くまで上ってお顔を間近に見ることもできました。
9時になったのでさっそく大谷観音本堂へ参っておごそかに勤行を…する時間がなかったので手を合わせるだけで済ませました。それにしても大谷石の岸壁に彫られた千手観音の日本最古の石仏と脇にある平安時代、鎌倉時代にまでやはり岩壁に彫られた阿弥陀三尊像、釈迦三尊像も見ごたえ十分でした。
バスで宇都宮駅へ飛んで帰って、駅中の丸亀ぶっかけうどん(美味かった!!)を食べてから、この日は世界遺産の日光へ向かいました。JR日光駅前から東武日光駅と女峰山?太郎山?方面です。
ちょっと遅れてきた11時40分発の湯元温泉行きのバスは超満員。ダイヤで45分のところ2〜3時間かかるよという運転手の声にビビったものの誰も下車せず、日光市街といろは坂でノロノロと言葉通り2時間40分かかってようやく14時半に中禅寺湖畔にたどり着きました。威風堂々の男体山山頂は雲がかかっていました。
帰りはどうなることやらと気持ちがはやりながら、湖畔の中禅寺まで15分。さすが日光の二荒山神社の別院というだけあって立派な仁王門です。
境内正面の愛染堂の左手が立木観音の本堂。この右手入口から本堂の中へ入って、先客に交じって係員の説明を聞きながら延暦年間の784年に勝道上人が湖畔のカラの巨木に立木のまま刻んだという千手観音に向かい合って手を合わせました。
干支の片手数珠を購入して、道順に沿って五大堂へ上がると、回廊からは中禅寺湖が一望。陽光を浴びて輝く湖面と右手にそびえる男体山の景観はさすが世界遺産地区の価値があります。
華厳の滝やらゆっくりと日光見物とも思っていたんですが、帰路を考えるととてもとても…ご朱印をいただいてとんぼ返りでバス停へ戻ったのが15時半。日光滞在1時間でちょうどドンピシャの始発バスに、もちろん超満員の立ちっぱなしで…ところが思いがけず帰りは連休最終日のピークを過ぎた時間のせいか思ったよりスムースに、1時間足らずでJR日光駅へ着くことができました。 ヤレヤレ、おかげで当初計画から1時間遅れの列車に乗ることができて、外人さんだらけの日光線から宇都宮線に乗り換えて19時半には自宅にたどり着くことができした。
3日間で歩いたのは77,000歩。約50キロというところでしょうか!? これでやっと12か所。まだまだ先は長いものの右ひざもなんとかもってくれたのでまた来週から観音巡りの旅を続けられそうです。