昨年9月の札幌ツアー以来ほぼ半年ぶりに、2月末から2泊で、大人の休日10周年15,000円キップを利用して、北東北ぐるり列車旅を楽しんできました。
金曜日午後の会議を終えて、ジャケット、ネクタイからダウン、ザックスタイルに着替えて東京駅へ。16時20分のはやぶさでまずは青森の八戸へ向かいました。
19時過ぎに着いた八戸駅直結のメッツホテルはもう数回泊まっていて、夕食はいつもホテル内の漁師料理の店に決めています。今日も青森セットでほたて貝味噌焼き、いかまぐろ刺身、せんべい汁にいくら丼と生ビールに地酒を味わいました。
土曜日の朝は吹雪模様の予報が好転して青空ものぞきました。始発のはやぶさで新青森に出て、今日のお目当ての五能線・リゾートしらかみ号に…乗ろうと思ったら、なんと車両不具合で運休のお知らせ。ガッカリしてとりあえず弘前行の普通列車に乗りながら時刻表とにらめっこしていたら、運休は一部区間だけで五能線の起点・川部駅から定刻にリゾートしらかみが出発のアナウンスにヤレヤレ…それにしても新青森であきらめていたらどうなっていたことでしょうか??
指定席が初日に完売する超人気のリゾートしらかみには春夏に3回乗っていますが、雪深い冬は多少座席に余裕があったようです。車内のイベントコーナーでは津軽三味線の演奏も行われてサービス満点です。
五所川原を過ぎたあたりから車窓には日本海の風景が広がって旅情を誘います。途中の千畳敷駅では列車が15分ほど停車して海岸散策を楽しめました。
せっかくなのでタイマーで一人旅の記念撮影。奇岩が並ぶ光景は醍醐味たっぷりです。
津軽の殿様が畳を千枚敷かせて宴会を開いたといういわれの千畳敷ですが、冬の日本海の荒波が打ち寄せて、満ち潮の中ではとても宴会どころではありませんでした。
列車の警笛を合図に乗客たちは青池号の車両に乗り込んで、日本海の眺めを楽しみながら秋田へ向かいました。
車両の都合で深浦駅では青池号から黄色い車体のクマゲラ号に乗り換えて、昼過ぎには秋田駅に到着。乗り換え通路には昨年訪れた男鹿半島の冬の風物詩なまはげの巨大仮面が展示されていました。
秋田駅で土産を買ってからこまち号で盛岡まで1時間半。角館、田沢湖と訪ね歩いたことを思い出しながら下車した盛岡駅では、在来線に乗り換えの合間に盛岡三大麺のわんこそば、冷麺、ジャジャー麺セットを食しました。少量づつとはいえ満腹しましたがどれもおいしかったです。
盛岡からは釜石線に快速はまゆり号に乗って終点の釜石駅へ19時36分着。日本海から太平洋へ東北横断の終点駅はSLイルミネーションが迎えてくれました。
ホテルにチェックイン後にすぐ近くの浜焼き食堂で夕食。カニみそ、車エビ、カキ、いか、たこ野菜の浜焼きセットとたっぷりポテト野菜サラダに生ビール、ホッピーセットで3,950円也。旨くて安い三陸の味を堪能しました。
明けて3月1日の日曜日は東北復興支援旅へ。新日鉄釜石の工場は鉄の精練はとおに休止していますが、鉄製品の加工などそれなりに活動は続けているようです。
駅前の道路にはラグビーの街釜石の看板が。昨夜乗車したタクシーでもラグビー話をしましたが、この数日後には2019年に開かれるラグビーワールドカップ日本大会の開催地のひとつに釜石市が決定しました。さぞかし地元は大喜びでしょう。
朝6時55分。北リアス線の宮古駅から分断されてつながっていない三陸鉄道南リアス線んの釜石駅にはまだ駅員不在でした。
地下通路からホームに上がって、おなじみの三鉄カラーの車両に乗車。盛駅に向かう車窓からはトンネルの合間ごとに、津波に押し流されてまだ復興もままならない海外線や入り江の街々の光景が広がって、自然災害の恐ろしさをあらためて感じざるを得ませんでした。
震災前は鉄道が走っていた盛駅から気仙沼間は、なんとその線路跡をバス専用道路としたBRTシステムバスが運行していて、多分停車駅も料金も概ね鉄道時代を踏襲しているのではないでしょうか。
バスで50分の下車駅はかつての街の中心地陸前高田です。道路の向こうの建物が陸前高田市役所の仮庁舎ですが、震災から4年となる今もプレハブ建築の姿が復興の厳しさを象徴しています。
市役所前から県道をひたすら海岸に向かって歩くこと30分ほどで、4年前までは高田松原として松林が広がっていた海岸線にポツンと、ただ一本生き残って人工的に永久保存された松の木が立っていました。木の根元まで行って冥福と復興を祈って合掌しました。
ほど近い県道沿いには一本松茶屋があって団体バスも停車していました。茶屋の後ろのパイプは復興工事の施設です。私は売店でせんべいを土産に買って、ユニセフ、赤い羽根など3つ並んだ募金箱へ気持ちだけ1コインづつ募金しました。
茶屋の前から気仙沼駅行のBRTバスに乗車。少しづつ活気を取り戻しつつある気仙沼港を車窓から眺めて30分ほどで駅前に到着。雨の中を港へ戻るには遠かったので、残念ながらあきらめてちょうど始発の列車に乗って一ノ関駅へ向かいました。
気仙沼で早めの昼食の予定がずれたので一ノ関駅で平泉ゆかりの義経弁当を食して今回の東北列車旅もフィナーレ。当初予定を1本早めた12時48分のやまびこ46号で帰路に着いたのですが、なにやら福島駅を過ぎたあたりから車内やホームが物々しい雰囲気になってきて、どうしたのかと思ったら、私の乗車車両の2つ後ろの最後尾グランクラスに、福島の被災地を訪問した安倍晋三首相が乗り合わせていたようです。私が下車した大宮駅ホームにも警察官が数名待機していました。まあ守る方も守られる方もVIPはつらいよというところですかね。庶民の足に影響が出なかったのでまあよしとしましょう。